『ピアリング戦記 ― 日本のインターネットを繋ぐ技術者たち』を読んだ

ラムダノートから出てる『ピアリング戦記 ― 日本のインターネットを繋ぐ技術者たち』を読んだ。小川晃通さんが書いたネットワーク本ということで絶対面白いだろうと思って直販で紙媒体セットで買っていたが、期待通りの満足感だった。
ピアリング戦記 ― 日本のインターネットを繋ぐ技術者たち – 技術書出版と販売のラムダノート

ピアリングの前提になるインターネットの構成、トランジットやIXの話なんかの前提の話をしつつ、現場インタビューを多く盛り込んだ内容。現場の運用を交えて体系的に話を見る機会はなかなかないし、何よりそこに関わった現場インタビューが面白かった。
自分がインターネット界隈で仕事するようになって10年、の辺の話はJANOGで見たり2hopくらいの人の話として聞くことが多かった。コンテンツ事業者が重要になってきているという話は聞くもの、実際にインターネットの中の人がどう考えてるのか、どう接してるのかという感覚は自分のものにはなってなかった。この辺はインターネットというシステムを構成する仕組みの中でも人間の思惑が多く登場する領域なので、当事者が語る内容がすごく興味深いし、いろんな話の断片が自分の中でつながった感じがした。ドコモのBBIXデピアリングの話なんかよく書けたなと思うけど、だいぶ控えめな描写だしもっと事情はありそうだ。
本筋とは関係ないかもしれないけど、日本のDNSルートサーバーが m なのは村井先生の m だ、というのが取り上げられてて信憑性が増した。このネタは使っていこう。