オスマン帝国の通史はこれまで読んだことなくて、ちょうどいいやつが出てたのでウィッシュリストに置いていたやつを読んだ。
歴史を物語として流れで読むのが好きだ。その点でこの本がよかったと思ったのが2点。まずはオスマン帝国全体、さすがに600年分とあってなかなかのボリュームだが、全体の流れを意識して書かれているのがすごくよかった。全体を大きく4つの時代に分けて、個々の叙述にはスルタンを中心に置いて人となり・周囲の関係を含めて活動を描きつつ、それがどこに位置づけられるのかと見失わないので、長いながらも途中で迷子にならずに読めた。1日で読めない本だとこの辺よく困るのでうれしい。
また、中世ヨーロッパ史によく出てくる隣国で気になっていたオスマン帝国の歴史を、西欧の流れを意識しつつ読めたのがすごくおもしろかった。自分は塩野七生さんの著作が昔から好きで、そこからの流れで古代から中世あたりのヨーロッパ史をよく読むので、あああの国あの人だと、随所で楽しみ要素が多かった。認知している範囲が時間・地理方向に広がった感じ。
- 作者:七生, 塩野
- 発売日: 2009/05/28
- メディア: 文庫
- 作者:七生, 塩野
- 発売日: 1991/04/29
- メディア: 文庫